森林環境を測る

フィールド科学  

 20世紀後半,人類は地球規模で進行しつつある環境破壊に気づきました.その元凶は,産業革命以後,科学技術を過信し,実験室的思想の下に自然を扱ってきたことにあったのではないでしょうか.今,その反省に基づいて,野外で蓄積した観測データに基づくフィールド科学が世界的に見直されるようになりました.

なぜ森林環境を計るのか?

 地域環境・地球環境の諸問題を解決するためには,森林の持つ生産機能や環境保全機能(洪水緩和,渇水緩和,土砂侵食防止,水質浄化,大気浄化など)が極めて重要です.したがって,森林における観測データの蓄積が非常に重要になってきました.

環境計測のバランス

 環境計測においては,問題解明のために明確な目的をもって行う観測と,目的は曖昧に見えても常時継続的なモニタリングを行うことが重要です.地域環境・地球環境を持続的に保全し管理するには,両者をバランスよく実行していくことが重要です.

■森林の水・エネルギー・物質の収支

 森林は大気圏と土壌圏の間にあり,裸地や農地では見られない複雑な相互作用系を構成しています.

■森林環境の計測方法

 演習林では,最新の計測技術で森林環境をリアルタイムにモニタリングするだけでなく,土壌・植物・大気連続系(SPAC)のモデルを構築し,今まで捉えにくかった森林環境の解明に努めています.

福岡演習林における計測例

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『森・水・人』−学術の森による森林生態圏科学の展開