ヌマスギは,ヒノキ科ヌマスギ属のラクウショウ (Taxodium distichum (L.) Rich.)の別名である。ラクウショ ウは北米東南部 ・ メキシコ原産の落葉針葉樹で高木となり, 沼地や湿地を好む樹木である。湿地に植えられると,しばしば呼吸を行うために気根を出す。
ヌマスギ見本林は,鬼ヶ浦地区の第 11 林班内(33°38′ N,130°30′E,標高 35m)に位置し,1977 年3月に7本 巣植2組,計 14 本植栽された(図3,4)。この林分は池 の縁にあり,時期によっては水没する。この見本林を囲む 蒲田池周辺は,2010 年7月から福岡演習林事務所のある篠 栗町との共同管理のもと,「篠栗九大の森」として市民に 広く開放されている。