新建団地 16 林班内(33°39′N,130°32′E,標高 425m)に位置する(図 1,10)。福岡県レッドデータブック 2011(福岡県環境部自然環境課 2011)ではツブラジイ群落,ウラジ ロガシ群落,アカガシ群落は将来的な破壊の危惧が大きい カテゴリー III に分類されている。初島(1934)は福岡演 習林内においてシラカシ(Quercus myrsinifolia Blume) は き わ め て 稀, ツ ブ ラ ジ イ(Castanopsis cuspidata (Thunb.) Schottky) と ウ ラ ジ ロ ガ シ(Quercus salicina Blume)は稀,アカガシ(Quercus acuta Thunb.),アラ カシは普通としている。山内ら(2013)は,標高 300m以上の新建および新谷地区(13 ~ 19 林班)ではアカガ シ,ウラジロガシ,アラカシなどの常緑カシ類が多く出 現 し, ス ダ ジ イ(Castanopsis sieboldii (Makino) Hatus. ex T.Yamaz. et Mashiba),タブノキ(Machilus thunbergii Siebold et Zucc.)も混在していたと報告しており,本保護 林はその代表的な林相といえる。隣接するヒノキ人工林で は 1911 年に植栽が行われており,同程度の樹高のヒノキ (Chamaecyparis obtusa (Siebold et Zucc.) Endl.)がプロッ ト周辺に点在することから,当時,人為的な攪乱を受けた 可能性がある。