人間の生活環境に近接する森林は里山林(注)として定期的に伐採され,算出する木材が生活物資として利用されてきた.このような里山林は社会構造の変化により消失しつつあり,その保全の是非が議論されている.現在の生活環境における里山林の保全を科学的に検討するためには,当該地域における里山林の動態に関する長期的データが必要となる.里山林は様々な伐採間隔で維持管理されてきており,この伐採間隔は里山林の森林構造に大きな影響を与えることが考えられる.そこで,以前は里山林として利用されてきた林地において,伐採頻度の異なる二次林を造成し,その長期的な動態をモニタリングすることで,里山林の科学的管理の基盤データを提供することとする.
(注)里山林:居住地域近くに広がり、薪炭用材の伐採、落葉の採取等を通じて地域住民に継続的に利用されることにより、維持・管理されてきた森林(H25森林・林業白書)
演習林内に定点撮影ポイントを設置し,年2回(状況により年4回)撮影を実施し,植生の変化を追う. 2014年度から里山林動態モニタリングで3箇所の定点撮影を行っている. 2017-06-30地区研究部会議において、「定点撮影」(2014/5/8〜)のプロジェクトは、「里山林動態モニタリング」プロジェクトの一調査項目とすることが決定された。これに伴い、里山林動態モニタリングのページに定点撮影の項目を移行した。