屋久島原始林の主 ヤクスギ

 スギはスギ科に属する常緑針葉樹で日本固有種といわれています.天然分布の北限は青森県西津軽郡鰺ケ沢町(北緯40゜42´),南限は鹿児島県熊毛郡屋久町(北緯30゜15´)とされ,今ではスギ天然林は,屋久島の他,数カ所にしか残存しません.地元(屋久島)では,樹齢1000年以上の老樹を屋久杉,それ以下のものは小杉と呼んで区別しています.

 ヤクスギ材は緻密で,心材は黒色味が強く,樹脂分を多く含むため,独特の芳香を放ち,非常に腐りにくい性質をもっています.ヤクスギには固有名詞をつけられた巨木が多数あり,特に有名な縄文杉は,根回り43メートル,胸高周囲長16メートル,樹高25メートルで,世界最大のスギと言われています.展示標本は,上屋久町内の国有林において1930年に伐採されたもので,そのサイズ,樹齢は縄文杉には及びませんが,周囲長は約11mで,樹齢は800年以上と推定されます.


 なお,このような長期間にわたる樹木の年輪から得られる年輪幅や材の密度等の変化から過去の森林環境を復元し,「気候や環境の変化」,「台風・火山噴火などの異常気象がおきた年代」などを推定することができます.このような研究分野は「年輪年代学」と呼ばれています.

  

[トップページ] | [森林・林業のトップページ] | [前ページ] | [次ページ]

『森・水・人』−学術の森による森林生態圏科学の展開