森林を博物館に
観測と情報の収集・蓄積・利用システムの構築

  

 各地の自然史博物館では,いろいろな標本が収集され,様々な利用者の要求に応えられるよう管理されています.このような施設は,自然を題材にして研究や教育を行うためには必要不可欠なものです.一方,森林生態系のダイナミクスを研究するためには,標本だけではなく,実際の森林を調査し続ける必要があります.しかし,その対象となる森林は減少の一途を辿っており,演習林のような野外研究の場を大学が維持することの意義は,今後非常に大きくなると思われます.
 この演習林の機能をより高めるため,生きた森林そのものを博物館と位置づけ,出来るだけ簡単に利用できるようにすることを目標に,野外での観測→情報の収集→蓄積→公開という一連のシステムを改良しています.

   

●野外博物館・森林教育研究館構想

 北海道演習林が持つ森林全体を「野外博物館」と位置づけ,様々な森林タイプごとに環境と動植物の動きを観測します(左図).こうした森林の情報は,電話回線などを用いて庁舎構内に設置を構想している「森林教育研究館」に集積され,野外での調査や実習のためのガイダンス,研究者の受け入れ,一般への公開などのために効率的に利用されます.

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『森・水・人』−学術の森による森林生態圏科学の展開