44 ヤドリギ(寄生木)
冬のドライブ中やスキーのリフトから落葉した木を見ていると写真のような緑の丸い塊りを目にすることがあります.これは寄生植物のヤドリギです.他の木の幹や枝に吸器と呼ばれる器官を侵入させて水や養分を吸収しながら,自身も葉緑体を持ち光合成でも栄養を得るため,「半寄生」と言われます.ヤドリギが着生した宿主の枝は落下する危険があるため,街路樹などでは除去が必要です.様々な落葉広葉樹を宿主にしますが,足寄ではミズナラの梢でよく見かけます.黄色や橙色(品種アカミヤドリギ)の果実は鳥が好んで食べます.ネバネバの果肉で包まれた種子をフンと共に宿る木に落としてもらい子孫を残します.発芽後は二又に別れながら球状に枝を張り,先端に長さ3~8cm程度で肉厚の葉をつけます.アイヌ語ではニハルと呼ばれ,枝から採取したデンプンを食用にしました.冬でも緑を絶やさない様子から洋の東西を問わず繁栄の象徴とされてきました.皆さんも探してみませんか.(山内康平・内海泰弘)
