43 エゾユキウサギ

 冬毛のおとなウサギ(上)と夏毛のこどもウサギ(下)
 エゾユキウサギはウサギ目ウサギ科のウサギ属ユキウサギの亜種で,北海道の平野部から山間部まで広く生育するユキウサギの仲間です。ウサギの特徴である大きな耳を持ちますが,本州以南に生息するノウサギに比べると小さめです。これは2022年7月あしょろ自然誌「体の大きさの違い」で記述したベルグマンの法則にあてはまり,耳からの体温の放出を抑えるためと考えられます。毛色は冬には雪にまぎれるほど真っ白になり,夏には茶色になります。冬でも夏でも山の中で探し出すのは至難の技です。生き物には,他のものに色や様子を似せることで敵から見つかりにくくし,自分の安全を守るものがいます。ウサギも自然界で少しでも安全に生き延びていくために,季節ごとに衣替えをしているのでしょう。また大きな足による走力は大変強いうえ,大きく飛ぶことも出来ます。今年の干支は兎(ウサギ),野山で駆け回るウサギを見つけに出かけてみるのもいいですね。(井上幸子・榎木勉)

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