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樹木の落葉
足寄の森には、冬に葉を落とす落葉広葉樹が自生し、また落葉針葉樹であるカラマツが多く植えられています。木々が落葉し山々から色がなくなる冬の光景は、どこか寂しく感じられるかもしれません。樹木の葉は光合成を行い、太陽光のエネルギーで二酸化炭素と水から糖を作ります。この糖を原料に幹や葉などが作られますが、冬の気温が低いと光合成ができなくなる一方、冬を越せるしっかりした葉を作るには原料の糖=コストがかさみます。ですので落葉樹は、ひと夏しか持たない低コストの葉を作り、冬に落とすという無駄のない生き方をしているわけです。ではトドマツなどが冬も葉を着けているのはなぜかというと、標高が高い場所などで、さらに夏が短く一年の光合成の稼ぎでは低コストの葉すら作れない場合、逆に高コストでも寿命の長い頑丈な葉を少しずつ作り、複数年で減価償却しているからだと考えられています。寂しい冬の光景からも木々の生き方の違いが見えてきますね。(藤山美薫・田代直明)