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イワオモダカ

樹木の樹皮や岩に張り付いて生活する植物を着生植物といい,コケ植物やシダ植物,ランの仲間などに多く見られます.暖かい地域に分布する種が多いのですが,北海道にも十数種ほど着生植物が分布しています.たとえば足寄町のミズナラ林にはイワオモダカという着生のシダ植物が生育しています.イワオモダカは長さ10cmほどの左右に角が出たスプーンのような葉を持ち,ミズナラの老木の樹幹に群生していることがあります.着生植物は湿気の多寡や日当りの強弱など微妙な環境の違いによって様々に棲み分けており,イワオモダカは足寄町では特に北斜面に生える大木の枝の付け根などを好むようです.足寄町の天然林では探せば点々とイワオモダカを見かけることができますが,全国的には個体数の減少が危惧されたり,絶滅してしまった地域もあります.さまざまな着生植物の住処になっている天然林に入る機会がありましたら,少し目線を上げて,着生植物たちを探してみてください.(中村琢磨・内海泰弘)

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