07 キタキツネ

冬毛のキタキツネと生後1か月ほどの子ギツネ(円内)
日本にすむキツネは、ユーラシアと北アメリカに広く分布するアカギツネの亜種で、本州から九州に生息するホンドギツネと北海道に生息するキタキツネがいます。キタキツネは夜行性の動物ですが、昼夜を問わず出没し、山林よりも畑や放牧地、市街地で良く見かけます。食肉目イヌ科の動物で、ネズミやウサギ、鳥類、昆虫などを捕まえて食べ、秋には果実や木の実も食べます。中には路上で観光客にえさをねだるものやゴミや残飯をえさにしているものもいます。キタキツネは年に1回、春に平均4頭の子どもを出産します。子どもは生まれて1か月ほどたつと巣の周囲で遊ぶようになり、約10か月で親と同じ大きさに成長します。秋から冬にかけて親はきびしく追いたてて子別れをします。夏毛のキタキツネは非常に貧弱に見えますが、秋も終わりに近づく頃には、すでに冬毛になり、体にも皮下脂肪を蓄えて、厳しい冬をのりきる準備が整います。 (久保田勝義,内海泰弘)