11 カラマツハラアカハバチ

カラマツハラアカハバチの幼虫
8月下旬から9月にかけて,まだ他のカラマツが青々としている時期に,葉が枯れ落ちてしまったように見えるカラマツを目にすることがあります.これはカラマツハラアカハバチ(以下、ハバチの幼虫が集団でカラマツの葉を食べてしまったことが原因です.ハバチは蜂の仲間ですが、人を刺すような針はなく、人を攻撃することもありません。ハバチはもともと北海道にはいませんでしたが,道内にカラマツが植えられるようになってから移入してきたと考えられています.北海道では1930年頃に新冠町で初めてカラマツへの被害が記録され、1970年台後半に道内各地に大規模な被害が発生しました。2007年頃から十勝のカラマツ林でも見られるようになり、2012年には初めて北海道演習林でも被害を確認しました。 大規模な被害では、林分全体が茶色く枯れたようになりますが、立木が枯れることは極めて稀です。被害を受けると幹の生長量が低下しますが、食害による材質の低下はほぼないと考えられています。 (壁村勇二・内海泰弘)