15 マダニ

シュルツェマダニ
マダニの仲間はクモ綱ダニ目マダニ科に属し、北海道にはヤマトマダニ、シュルツェマダニ、フタトゲチマダニ、ツリガネチマダニ、キチマダニ等が生息しています。足寄の野山で最も多くみられるのが、ヤマトマダニとシュルツェマダニで両種とも春の雪解け直後から出現し、秋頃まで見られますが、ヒトの刺症例は5~7月に多くなっています。草原や林内などに広く生息し、林道とけもの道の交点付近に多く潜んでいるようです。マダニは成長や繁殖のために動物の血液を必要とし、吸血の際に分泌される唾液を介してライム病、回帰熱、ダニ媒介脳炎などのダニ媒介感染症が引き起こされます。西日本では近年、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群で多くの方が亡くなっており、北海道でもダニ媒介脳炎による死亡事例が報告されています。余談ですが、マダニは真空状態でも生存できる強靭な生物です。山菜採りや魚釣り等で野山へ出かける際は、長袖や長ズボンでマダニとの接触を避けましょう。 (壁村勇二・内海泰弘)