14 エゾモモンガ

冬のモモンガ
冬の森を歩いていると、木の根元の雪が茶色く染まった光景を見かけることがあります。その正体はエゾモモンガの排泄物で、その木を見上げると彼らが巣として利用しているキツツキの古巣や樹洞が見つかるはずです。 エゾモモンガは、北海道にのみ生息しており、本州以南に生息しているニホンモモンガとは別種です。夜行性で、日没直後に餌を探しに出かけ、日の出前には巣に戻ってくるという規則正しい生活を送っています。しかし、厳冬期には夜間の活動量が著しく低下し、日中の暖かいうちに餌を探すことが多くなります。 また、寒さをしのぐため、基本的には単独行動を好む彼らですが、冬の間だけ一ヵ所に集まり暖をとることも多いようです。北海道演習林内でも、ヤチダモに開いたキツツキの古巣に、この冬5頭のモモンガが身を寄せ合って暮らしています。ひと冬を共に過ごしたモモンガたちも、暖かくなると新天地を求めてそれぞれの旅路につきます。(村田秀介・智和正明)