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ハクチョウ

深夜から早朝に上空を飛び過ぎるけたたましい声や,V字に並んだ群れに秋の到来を感じます.カモ科ハクチョウ属の鳥をまとめてハクチョウと呼びますが,足寄で見るのは主にオオハクチョウとコハクチョウです.ユーラシア大陸で夏を過ごし,越冬のために日本へ親子で渡ります.長距離を移動する渡り鳥としては最大級の体を持ちます.成鳥は全体が白い羽ですが,幼鳥は灰色の羽を持ちます.オオハクチョウとコハクチョウは体の大きさと嘴にある黄色部と黒色部の割合で識別できます.活込ダムや仙美里ダムのダム湖では数十羽の群れが羽を休める姿を見ることができます.春には渡りに備えて近くの畑でデントコーンの落穂や小麦をついばむ姿が見られます.小麦にとって食害ですが,群れが滞在することによる大量のフンが窒素の供給源になっているという報告もあります.のどかな姿には野生動物との共存という問題もはらんでいます. (山内康平・田代直明)

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