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オオセンチコガネ
コガネムシ上科センチコガネ科の甲虫で,日本全土に分布します.体長十六~二十二㎜.体は丸く,体色は金赤,金緑など金属光沢があり,バリエーション豊富です.コレクションとして標本にしている採集家も少なくありません.腹部には発音器官があり,触ると「ギーギー」と鳴き威嚇します.この仲間は,主に動物の糞や死骸を食べることから「糞虫」と呼ばれています.山で動物の糞に群がってる光景を見かけた人もいらっしゃるのではないでしょうか.汚い虫と思うかもしれませんが,オオセンチコガネは糞の分解を通じて森の掃除屋になるとともに植物の種の散布も手伝っています.春から秋にかけて活動し,交尾をしたメスは糞を地中に引き込み,その中に産卵します.卵から孵化した幼虫はそれを食べて成長します.名前にある「センチ」とは便所の古語である「雪隠(せっちん)」が変化した言葉で,糞によく集まることから付けられました. (鍜治清弘・内海泰弘)