22 野ねずみ被害

食害されたカラマツの根元

足寄町の人工林はカラマツが主体ですが、昭和四十年代頃から野ねずみによるカラマツの被害が多数確認されています。野ねずみは食べ物がなくなる冬から早春にかけてカラマツ等の樹木の根元や幹の樹皮を食べます。軽度の食害では枯れることはありませんが、食害が根元を一周すると、樹木は水や栄養を根から葉に送ることができなくなるため、数年で樹木は枯れてしまいます。このため、カラマツの植栽を行う際は野ねずみの生息場所となる枝条のたい積を避けることが行われています。さらに、ヘリコプターによる殺鼠剤の散布も行われています。近年は野ねずみの生息数が増加傾向にあり、幼齢のカラマツだけでなく伐期を迎えた壮齢のカラマツや、これまであまり被害のなかった広葉樹にも被害の広がりが見受けられます。そのため、近年では野ねずみ被害に強いとされるグイマツ雑種F1やスーパーF1等が植栽されることもあります。 (壁村勇二・智和正明)

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