02 カンバ属の花

シラカンバの雄花
シラカンバをはじめとするカバノキ属は足寄だけでなく北半球の冷温帯に広く生育しています。シラカンバの白い幹と涼しげな佇まいはいかにも北国の情緒を感じさせます。カンバ属は分類学的にはカバノキ科と呼ばれるグループに属し,他にハンノキ属やハシバミ属などがあります。用材・薪炭材,風景を引き立てるアクセントとしての価値がある一方,カバノキ科花粉症の原因としても知られています。カバノキ科花粉症はロシアやヨーロッパなど北国で多く見られる疾患ですが,同時にバラ科植物由来の食べ物に対してじんましん等のアレルギー反応を併発することがあります。バラ科植物は,果物のほかリンゴ酢やアーモンドパウダーなど多くの食品に調味料として利用されていますのでなかなか厄介です。足寄では3月中旬頃からシラカンバの花(雄花序)が開花し,風で枝が揺らされる度に黄色い靄のように花粉が飛散します。この時期はシラカンバの傍に不用意に近づかない方がいいかもしれませんね。(中村琢磨,智和正明)