04 ニホンザリガニ

ニホンザリガニ

日本に生息する3種のザリガニ(ニホン・ウチダ・アメリカ)のうちニホンザリガニは唯一の在来種で,日本固有種です。体長は5~6センチメートルと小さく,他の2種の半分ほどしかありません。北海道と東北北部にのみ生息し,広葉樹に囲まれた源流域の冷たく清澄な水環境を好んで生活しています。人の体温でも火傷してしまうことがあるため,触れる場合は川の水で手をよく冷やす必要があります。 のんびりとした性格で移動能力も低いことから,環境の変化は彼らにとって命取りとなってしまいます。かつては北海道の各地で見られましたが,道路工事や農薬散布といった人間活動に伴う環境の変化に対応できず,その数と生息地を大幅に減らし,2000年には環境省から絶滅危惧Ⅱ類に指定されています。 足寄町の水道水として利用されている演習林内の水源地では,今でもニホンザリガニの姿が見られます。彼らは足寄町の自然が豊かであること,私たちが毎日利用している水がきれいであることを証明してくれているのです。 (村田秀介、智和正明)

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