52 たんぽぽ
道ばたや野山でよく見かける黄色い花のタンポポ。花が終わると白い綿毛をまとい風で種を飛ばす様子はのどかです。この「タンポポ」という名前はキク科タンポポ属の総称で、普段目にするものは明治時代に外国から持ち込まれた外来種の「セイヨウタンポポ」です。日本の在来種には20種類ほどありますが、北海道では内陸部に「エゾタンポポ」、道東の海沿いに「シコタンタンポポ」が見られます。花の付け根を覆う緑の部分(総苞外片)がセイヨウタンポポは反り返り、エゾタンポポやシコタンタンポポは反り返らないことで見分けることが出来ます。演習林内で道ばたのタンポポを確認したところ、セイヨウタンポポばかりでエゾタンポポを見つけることは出来ませんでした。新緑がきれいなこの季節、花の違いを確認しながら絶滅が心配される在来種のタンポポを探しに出かけてみては如何でしょうか?(井上幸子・田代直明)
